パーセントで表した余興

私は芸人。パーティに呼ばれ余興を行う。

私は余興をパーセントで表し、そのパーセントに応じたギャラを頂いている。例えば100%の余興は多くの客が楽しめる。ギャラは私がひと月働かずに済むほど。10%の余興は格安だが、賑やかし程度。

余興をパーセントで表すことで打ち合わせはスムーズだ。予算のない人は私に過度な期待はしない。また、「次に頼むときは30%増しで」とリピートに繋がることも。私は芸人としての実力は二流だが、『パーセントで表した余興』で名が売れた。

ある日、世界有数の富豪から余興の依頼があった。
富豪は言った。
「200％で頼みたい。ギャラは言い値だ」
私は富豪の資産の半分に匹敵するギャラを前払いで要求した。富豪はそれを受け入れた。

富豪のパーティ当日、私は一人でリゾートの浜辺に寝そべる。今頃、富豪のパーティでは200%の余興が行われているだろう。私が雇った超一流の芸人によって。