転がる手紙の恋心

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今日は手紙を渡そう

学生の頃、見せたい相手を想って手紙を書いた
まともに話したことのないあの人に向けて
でもそれを渡す為の言い訳もあるわけがなく、ただ積み重なるそれは紙切れであって
こんなものが僕の想いだと思うと寂しかった
寂しくて紙切れが増えた
僕は1人で何をやっているのだろう

ある日僕は偶々あの人と話す機会があった
緊張しながらも話は続いて、次の約束をした
僕は次にあったとき何を話そうかワクワクしながら自分の書いた手紙を読み返した
これが僕の想いだと思うと嬉しかった
嬉しくて手紙が増えた
僕らは今後どうなるだろう

ある程度の年月をかけて僕らは付き合った
手紙が増えた

そこからまた年月が経ち僕らは結婚した
その時僕は久しぶりに手紙を書いた

そして今、押入れの奥にしまっていた紙切れは
そこにあることを忘れていたために床に散らかる手紙は
紛れもなく僕の恋心だった
恋愛
公開:20/03/01 20:25
更新:20/03/02 15:16

イノシシ

お話作りやお話で遊ぶTRPGなどが趣味です。よろしくお願いいたします。

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