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手紙の最後には必ず「あいしてる」と綴られていた。私にはそれが分からなくて、ただ美味しそうだと思った。
試しに今までもらった手紙の最後の「あ」と「い」を集めて切り刻んで煮詰めた。
それはとろりとした蜜になった。柔らかな甘さの中に、苦味も塩味もあり、何とも表現出来ない味わい深さ。夢中になり貪ると恍惚状態に陥いった。
これが「あい」なのか。まるで酩酊しているような気持ちよさの中、これを「あい」とするのは短絡的だと思った。でも私には「あい」の答えが欲しかった。感じているこれが「あい」ならどれほど楽だろう。
気づけば「あい」の蜜を全て食べ尽くしていた。すっかり目が覚めた私は、どうしたらいいのか分からなくなった。
わけもわからず喚き出す。発狂した。
分からない。分からない!分からない!
どうしてあいしていると言いながら私の首を締めたの?
死人の私にはもう「あい」が分からない。永遠に。
試しに今までもらった手紙の最後の「あ」と「い」を集めて切り刻んで煮詰めた。
それはとろりとした蜜になった。柔らかな甘さの中に、苦味も塩味もあり、何とも表現出来ない味わい深さ。夢中になり貪ると恍惚状態に陥いった。
これが「あい」なのか。まるで酩酊しているような気持ちよさの中、これを「あい」とするのは短絡的だと思った。でも私には「あい」の答えが欲しかった。感じているこれが「あい」ならどれほど楽だろう。
気づけば「あい」の蜜を全て食べ尽くしていた。すっかり目が覚めた私は、どうしたらいいのか分からなくなった。
わけもわからず喚き出す。発狂した。
分からない。分からない!分からない!
どうしてあいしていると言いながら私の首を締めたの?
死人の私にはもう「あい」が分からない。永遠に。
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公開:20/03/01 17:23
夜野 るこ と申します。
(よるの)
皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。
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