伝説の銀のカタツムリ(最終話)

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 湯〜とぴあ新聞を見た近藤さんはカツラを外して今田さんの前に立った。
「ダイハートのDVD。今度うちに観に来ない?」
 今田さんも真っ赤な顔でしっかり見つめ返す。
「近藤君はいつも『今度』って言うのね。私、もう仕事が終わる時間よ。今からじゃダメ?」
「今だ! 今後こそ幸せになろう!」
 今田さんから温泉のように温かい涙が溢れた。
 見守っていた銀のカタツムリが俺に「今日のリンゴ黒酢は私のおごり!」と差し出したそれは握りしめられ緩くなっていたが味は格別だった。
 カタツムリのツノは恋矢という。ベテランキューピット・的矢咲花の恋矢的中!
「次はしんちゃんかな? ま、私位のいい女じゃないとしんちゃんの相手は務まらないけどね!」

 数ヶ月後の湯〜とぴあ新聞。スタッフ紹介欄に結婚報告。
「ユートピアを築きます!」
 笑顔輝く今田さんの隣には近藤さんの頭と仲人を務めた伝説のカタツムリの銀歯がキラリ!
ミステリー・推理
公開:20/03/01 19:07
更新:20/05/23 11:52
立中森一(たてなかしんいち) 推理物シリーズ

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
 勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
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