6
3

彼女はピアノの演奏会をする予定だ。舞台の上から目をやった。彼女はピアノとは別の仕事もしていた。そこで迷惑な男がいたが、彼女は物怖じせず立ち向かうために、男が暴言を吐いてくることはなかった。大宮さんという女性が犠牲になりそれで彼女は内心ホッとしていた。その後大宮さんは退職した。「あの人だ…」。気を取り直して彼女は椅子に座り、ピアノの鍵盤に触れた。音が鳴らない…。大宮さんは自殺したあと、幽霊になって彼女の前に現れたのだった。死ぬ前までパワハラについてブログに書き、後世に伝わるようにしていた。加害者と、どちらかというと同僚が知らん顔をしていたことを悲しんでいた。音楽が好きな大宮さんは、彼女のような演奏家に幻滅した。時は流れ、人権感覚を証明できなければ鳴らない楽器もできた。大宮さんの言葉を受け継いだ人々は、タイムトラベルをして彼女の演奏会の前に、こっそりピアノを差し替えたのだった。
青春
公開:20/03/02 11:07
更新:20/03/06 14:08
ピアノ 幽霊 退職 自殺 未来 音楽

傘まり( 阪神間 )

最近、ピッピ展に行きました。津田梅子、大塚女子アパートメントの本を読み、女性の学校や住居に興味がわきました。
キューティーブロンド3の公開が待ち遠しい。
アニメのスプーンおばさん、はーいステップじゅんなどを再び観たいです。

ミニコミ・ZINE、海外YAなどを読みたいです。

洋服、夜、広場、自助グループ、家をテーマに書きたいです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容