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髪が伸びてきた。根元が伸びてきて髪色が汚い。137日前から僕は時間を前に進められずにいる。
昼前に起きて歩いて4分のコンビニで惣菜パンと水と幕の内弁当とピースのスーパーライトを買って毎日を2食で満たしている。
窓は怖くて開けられない。きみが吐いた息を部屋の外に逃がしたくない。きみが引っ掻いた肩と胸の傷を腐らせたくてシャワーを浴びずにいる。
僕は明日で20歳になってしまう。嫌だ、絶対に20歳になんてなりたくない。
138日前まで続けていたアルバイト先から数個持ち帰った忘れ物としてカゴに入っていたライターで煙草に火をつける。泣いている時に吸う煙草は味がしない。
一本吸い終わって浴室に入る。浴槽には体を畳んだ君がいる。僕のせいで強制的に19歳で時間を止められた君が放つ強い香りをいっぱいに吸い込む。肌が肌色じゃなくなっても君は綺麗で。赤茶に汚れた110円のカッターナイフでやっときみと一緒になる。