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小学校の頃、夏など長い休みがあると、母方の祖父母の家に数日泊まりに行くことがあった。とんでもない田舎でまわりに何もないから、ひとりでそこら辺を探索するのが日課だった。

すぐ近くの鬱蒼とした森の中に神社があり、誰も来ないのをいいことに、よく虫取りをして遊んでいた。クワガタやカブトがたくさんいる楽園で、朝食をすませるといちもくさんにそこへ出かけて昼過ぎまで遊んでいた。

そこで、ひとりの女の子と出会った。

白いワンピースと麦わら帽子の似合う清楚な感じの少女だった。少しだけ年上に思えたけれどなぜか話しがよく合った。

しかし、両親の離婚とともにそこへ行くことは無くなってしまった。

そんなある日、30年ぶりにそこへ行ってみたくなった。少女は昔のままの姿で出迎えてくれた。

「待ってたわ。いっしょに行こう。」

差し出された手を握った。

数日後、境内に横たわる男の顔は微笑んでいるようだった。
ファンタジー
公開:20/03/02 07:00
更新:20/03/01 16:32
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武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。

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