うわばき

2
4

雨が上がった後の纏わりつくような湿気と蒸し暑さに判断力を奪われる。13時を過ぎてしまった。いい加減顔を洗わないと。土曜日だから学校が休みで寂しくなる。こういう時友達と遊んだりするものなのかな。遊ぼうの電話をかける子なんていなかった。
学校は楽しくないけどきみがいるから好き。発表で手を挙げる勇気も休み時間にすることもないけど。きみが休みの日はもう1限目から最悪で帰りたくなる。きみは隣の席で、僕の机から絶対に5センチは隙間を開ける。
きみは僕の消しゴムを取るし筆箱を隠すし僕を蹴る。消しゴムは花壇から見つかったし筆箱は階段に落ちていた。どちらもきみが隠すために持ってそこまで行ったのかな。この間は僕に上履きを投げた。きみの上履き。本当は持って帰りたかった。
きみのふくらはぎの火傷の跡を思い出して、それから重いまぶたとレンズの薄い眼鏡で頭がいっぱいになる。好きだ。すきだ。僕はまた眠った。
その他
公開:20/03/01 02:45
更新:20/03/01 02:45

k

にゃんこ〜

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容