潤う日

「今日天気悪かったな」
２月２９日。何の気なしに言ったら、
「潤日だから」
何言ってるの？みたいに返された。
「うるおうび？いや閏日だろ。でもって閏日は関係ないだろ」
「関係あるよ。閏は元々、潤うの訛りだもん」
また出た変な雑学。季節の変わり目は気圧配置が不安定だから。という真っ当な展開になぜ行かない。
「百歩譲っても、多いってニュアンスの『潤う』だろ」
「だから、潤いが多いの」
駄目だこりゃ。反論するとへそ曲げる。折れた方が早い。
「そっか。物知りだな、偉い偉い」
「本当だってば。今日から直す事にしたって、ニュースでやってた」
意味解らん。匙を投げて覗いたネットニュースの見出しに。
『２０２０年改正。閏年から潤年へ』

……本当だった。
「インフルとか新型ウィルス対策で、年間湿度を上げるんだって」
そんな馬鹿な。恐る恐る確認した天気予報は、１カ月先まで雪か雨。降水確率は９０％以上だった。