屋根裏部屋のフシギ

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街の外れに、お化け屋敷と噂される洋館がある。
そこでは大晦日の夜、屋根裏部屋の窓のあたりから「何か」が飛び出すという。

その家の住人も、近所の人達も、その気配を感じている。
夏のお盆の時期にも、そんな音がするそうだ。

その話を聞き洋館にやってきた、カレンダー刑事。
公務をはなれ、個人的な興味で、謎を解きにかかった。

彼はお盆の日に屋根裏部屋に入り、しばらく時を過ごした。
部屋を出ると、彼は家の住人に告げた。
「聞こえる音や気配は、空に住む者のものです」

不思議がる住人に、彼は続ける。
「家の屋根は、空と、人の住家を分ける場所。その部屋の空間は、空に住む者が通り抜けます。
天の使いも、魔物も。それは年の瀬やお盆など、時の境目に起こるのですよ」

彼は指導した。屋根裏部屋を清潔にし、毎日きれいな水を供えるように、と。

やがて天のご加護か、その家には幸運が多く訪れるようになったそうだ。
ファンタジー
公開:20/02/29 23:37
更新:20/02/29 23:40
カレンダー刑事

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

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