おまもり

「このお守り、絶対に肌身離さず持ってなきゃだめよ」
大好きなお姉ちゃんが言った。分かった！僕、絶対にこのお守りを手離さない！
お姉ちゃんに言われた通り、僕はいつだってお守りを肌身離さず持っていた。お風呂の時もトイレの時も、お守りがどんなに汚れても僕は絶対に手離さなかった。

ある夜、僕はとても怖い夢を見て飛び起きた。
誰かに傍にいてほしくて、お姉ちゃんの部屋に行った。
でもそこにお姉ちゃんはいなくて、美味しそうな物が置かれていた。
僕はそれに齧り付いた。凄く美味しい！
半分くらい食べたところで僕はお守りを持っていないことに気付いた。
急いで部屋に戻って、お守りを持つとお姉ちゃんの部屋に戻った。
お姉ちゃんはいた。体の半分を食いちぎられた死体がそこにあった。
「バケモノ！」
お父さんとお母さんが僕を見て叫んだ。吃驚して僕はお守りを落としてしまった。
そこには美味しそうな物が２つ並んでいた。