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床屋に行くと緊張してしまう。子供のころ散髪中に居眠りしていた。ハサミの音がリズムよく聞こえ、いつも寝てしまう。
大人になると居眠りはしなくなったが、店員からの質疑応答が気が抜けない。
「今日はどれくらいにしますか?」
「いつも通りで」「お任せコースで」と言ってみたいが、そんな勇気はない。
「苦しくないですか?」の軽いジャブは「あ、はい」の回答でやりすごす。
洗髪ラウンドでは、手際よく、シャワーで髪を流してくれる。
「かゆいところはありますか?」
いつもの「あ、はい」が使えない。
上手な方は優しい手つきで、指の腹の部分を使って頭皮マッサージのような、心地よい時間を提供してくれる。「おかわりください」と言いたい。でも、下を向いたまま「大丈夫です」と弱々しく答えてしまう。
床屋のグルグル回る看板はサインポール。
赤+青+白=藤色になるので、私は『藤色の嘘』としたい。
大人になると居眠りはしなくなったが、店員からの質疑応答が気が抜けない。
「今日はどれくらいにしますか?」
「いつも通りで」「お任せコースで」と言ってみたいが、そんな勇気はない。
「苦しくないですか?」の軽いジャブは「あ、はい」の回答でやりすごす。
洗髪ラウンドでは、手際よく、シャワーで髪を流してくれる。
「かゆいところはありますか?」
いつもの「あ、はい」が使えない。
上手な方は優しい手つきで、指の腹の部分を使って頭皮マッサージのような、心地よい時間を提供してくれる。「おかわりください」と言いたい。でも、下を向いたまま「大丈夫です」と弱々しく答えてしまう。
床屋のグルグル回る看板はサインポール。
赤+青+白=藤色になるので、私は『藤色の嘘』としたい。
その他
公開:20/02/27 23:52
やってみよう!一歩踏み出してみます。自分が読みたいものを書いていきます。短編はエブリスタでアップしています。
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