伝説の銀のカタツムリ③

18
10

 リンゴ黒酢を飲みたい俺は否応なしに受付で手招きする『銀のカタツムリ』こと、的矢のおばちゃんの元へ引き寄せられる。
「おばちゃん。職権濫用だよ。俺に用事ある時、リンゴ黒酢のサーバー空っぽにしちゃって。他のお客さんから苦情くるんじゃないの?」
「しんちゃんがいつも逃げ帰っちゃうから仕方ないでしょ。お昼のこの時間にリンゴ黒酢飲むのしんちゃんだけだから大丈夫。それより、ちょっと時間ある?」
「いや俺、結婚とかはまだ」
「今日はその事じゃないの! ちょっと相談にのってほしい人がいるのよ。今、呼ぶからちょっと待ってて。今田さーん! 来たわよー!」
 やって来たのは、おばちゃんと違ってスラッとした今田さんと言われる40代半ばの女性。受付とかでよくお見かけする、ここのスタッフさんだ。
「じゃ、しんちゃん頼んだわね! 相談が終わる頃にはリンゴ黒酢、ちゃんと冷えてるから!」
 ウインクと同時に銀歯が光った。
ミステリー・推理
公開:20/02/26 19:00
更新:20/05/23 11:03
立中森一(たてなかしんいち) 推理物シリーズ

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
 勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
 どうかよろしくお願いいたします。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容