時計のつぶやき

一人の少女が学校の帰りに拉致された。
それを行ったのは男女の４人。
嫌がる少女を無理やり車の中に引きずり込み、山奥の山荘に監禁した。
少女が目覚めると、そこは暗い空間が広がっていた。
ふと、壁の向こうから誰かが話す声がする。
少女は恐る恐る壁に出来た隙間から様子を見る事にした。
少女が見たものは・・・殺人の瞬間だった。
男性が女性をナイフで何度も刺しているのである。恐らく仲間割れだろう。
少女は自分もあんな目に合うかもしれないと恐怖し、逃走を図った。
辛うじて警察に逃げ込んだ少女は事情を説明し、山荘に向かった。
だが、警察が実際にその山荘へ行って見ると殺されたはずの遺体は存在しなかった。鑑識が調べてもルミノール反応は出なかった。
そのせいで少女は嘘つき呼ばわりである。
確かにこの目で見たのは殺害の瞬間だった。
それでは殺されたあの女性は一体どこへ消えてしまったのだろうか。