スプラッター・ファッション

「いっつも臓物ぶらぶらさせてるよね」
同僚の女子が半ばからかいながら、俺の腹からぶら下がった腸を指差してくる。
「こだわりなんでね。それより見て、肘の骨剥き出し。良くない？」
俺は彼女に肘を見せつける。
「全く理解できん」
「だろうな。俺だって爪全部剥がしてるの理解できんわ」
「トレンド」
「書類血塗れだけどな」
「あんたが歩いた後の床に比べたらかわいいもんでしょうよ」
「それは正直すまん」
「今度さ、耳削いでみようと思うんだけど似合うかな？」
「まあ、横スッキリするし、痩せて見えるかも？背骨剥き出しとか好きなんですけどね～」
「やったとしてもお前が見ることはないぞ」
「髪を束ねたときに首の後ろから覗く背骨がいいんだよ」
「分からんわ」
「男心じゃ」

一週間後、彼女の耳は無くなり、さらに指の第二間接から先の肉が無くなっていた。
「この方が綺麗にみえるでしょ」
「分からんわ」
「女心じゃ」