夜中の記念撮影
6
2
「ちょっとだけ出てきてよ」
僕はしのぶを呼び出した。彼女はこっそりと家を抜け出してきてくれた。
「こんな夜中だから、あまり長い時間は無理だよ。早く帰らなくちゃ」
「うん、わかってる。記念に写真を撮っておきたいと思ったんだ。もうすぐ、あと30分くらいで君の誕生日じゃないか。」
「おぼえてくれてたんだ? 明日は学校休みだもんね。」
「ちょうどいいと思ったんだ。あれも出てることだし。影をいっしょに撮ろうと思ってさ。」
そう言って僕は南の空を見上げた。まぶしいくらいに輝くそれは、今だけのもの。だからこの瞬間を切り取ってふたりの記念にしたかった。
たどり着いたのは森の中の湖のほとり。そこだけ木々の上に丸く空間が広がり、星空が一望できた。
「あの光を受けてできた僕たちの影を残そうよ。こんなのもう一生できないかも。」
そうして僕らは写真を撮った。ベテルギウスの超新星を背景にできた影の。
僕はしのぶを呼び出した。彼女はこっそりと家を抜け出してきてくれた。
「こんな夜中だから、あまり長い時間は無理だよ。早く帰らなくちゃ」
「うん、わかってる。記念に写真を撮っておきたいと思ったんだ。もうすぐ、あと30分くらいで君の誕生日じゃないか。」
「おぼえてくれてたんだ? 明日は学校休みだもんね。」
「ちょうどいいと思ったんだ。あれも出てることだし。影をいっしょに撮ろうと思ってさ。」
そう言って僕は南の空を見上げた。まぶしいくらいに輝くそれは、今だけのもの。だからこの瞬間を切り取ってふたりの記念にしたかった。
たどり着いたのは森の中の湖のほとり。そこだけ木々の上に丸く空間が広がり、星空が一望できた。
「あの光を受けてできた僕たちの影を残そうよ。こんなのもう一生できないかも。」
そうして僕らは写真を撮った。ベテルギウスの超新星を背景にできた影の。
ファンタジー
公開:20/02/27 19:00
313
青春の思い出
ベテルギウスの超新星爆発
夜でも影ができる
武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
ツイッター
https://mobile.twitter.com/ookami1910
タイッツー
https://taittsuu.com/users/ookami1910/profiles
ログインするとコメントを投稿できます