金魚のフン?いいえ。猫の尻尾です。

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「貴方ってば三池君の金魚のフンね!いつも彼の後ろにくっついて目障りだわ!」
私に向かってギャンギャン吠える柴さん。私はその言葉を聞き流した。
きっと私が羨ましくて仕方がないのだろう。彼女の身体能力では彼についていくことが出来ない。
「おーい!そろそろ行くぞー」
彼に呼ばれた。私は大急ぎで彼の後をついていく。
塀の上を優雅に歩き、木の枝へと飛び移る。屋根の上を素早く走れば、狭い抜け穴を潜り抜けていく。
私は彼に遅れることなくぴたりとくっついていく。
彼は猫の里の忍びだ。私は彼の弟子である。
猫の里では技は見て覚える。師匠の後姿を見て成長することから弟子は尻尾と呼ばれている。
私も尻尾が板についてきた。だから時々左右に揺れて、彼の視界から外れてやるのだ。彼の少し焦る仕草が私は好きだ。
大人は弟子とはじゃれ合わない。しかし私達は子供だからよくじゃれ合う。
どうだ犬の里の柴さん。羨ましいだろう?
青春
公開:20/02/23 19:17

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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