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生まれ故郷の村にベルという、常に布で頭を覆った少女がいた。村の子達は誕生日になると彼女の家に招かれ、ケーキを御馳走になった。
僕が十二になった時もそう。居間でケーキを待ってると悪戯心が湧き、台所を覗き見たんだ。そこには布を外したベルがいた。その長く美しい髪の先にはラズベリーの実がなっていて、彼女は一粒ちぎるとケーキの上に乗せたんだ。その時目が合ってね、思い切って問い質すと、この実は一つずつ歳を重ねるための食べ物だと教えてくれた。あの甘酸っぱさは一歩大人に近づく時の味だったんだ。
後日、秘密を守る代わりにデートしてくれたけど、彼女とはそれっきりさ。今では僕の友達の嫁だよ。
ところであんたが食べてるジャムパイもベルの実を使ったものだよ。どのくらいの実を使ってるんだろうね?そんなに美味かったかい?一粒で一つ歳をとるのにそんなに食べたら…。
記者さん、彼女との約束はこれからも守っていくつもりだよ。
僕が十二になった時もそう。居間でケーキを待ってると悪戯心が湧き、台所を覗き見たんだ。そこには布を外したベルがいた。その長く美しい髪の先にはラズベリーの実がなっていて、彼女は一粒ちぎるとケーキの上に乗せたんだ。その時目が合ってね、思い切って問い質すと、この実は一つずつ歳を重ねるための食べ物だと教えてくれた。あの甘酸っぱさは一歩大人に近づく時の味だったんだ。
後日、秘密を守る代わりにデートしてくれたけど、彼女とはそれっきりさ。今では僕の友達の嫁だよ。
ところであんたが食べてるジャムパイもベルの実を使ったものだよ。どのくらいの実を使ってるんだろうね?そんなに美味かったかい?一粒で一つ歳をとるのにそんなに食べたら…。
記者さん、彼女との約束はこれからも守っていくつもりだよ。
青春
公開:20/02/24 10:11
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