ＬＣＭ（最小公倍数）の口付け

　ここに、歯車がかみ合うように、こめかみの高さの円周上を密着して、生まれたときから、回転し続けている頭がある。互いの頭を取り巻くように、実際に、歯車が刻まれていて、それが連結して回転しているのではない。強烈な磁力のようなもので、この、二つの頭は常に円周上の一点をかならず接触させ、互いに回転しながら、互いの頭を回っている。このとき、頭だけを回転させれば、首から捩れ、もげてしまうので、頭の回転に合わせて、体も回転する。現在、Ａの頭の周長は５３センチ、Ｂのそれは４２センチ。回転速度はおよそ時速２３．０４センチだ。
　今、二人が口付けを交わしているなら、唇の幅と頭の成長とを無視した場合、両者が次に口付けを交わすのはＡが４２回転、Ｂが５３回転した後、直線にすれば2,226センチの彼方ということになり、それはだいたい四日後のことである。また唇の幅を5センチとすると、口付け時間は13分程だ。
あってる？