ファンタスティック・プラネット

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 我々の星の極刑は小指の爪を柱にぶつけることだ。それも延々と。我々の小指には脳から生殖器までいろいろ密集している。


 君達の星にはタコという生物がいるだろう。タコの脳は腕と胴体のあいだにある。頭にはない。我々の外観はそのタコに酷似している。このあいだもよその星からの侵略があった。ワサビとショーユという液体をかけられ、何体もの同胞が殺されていった。我々も必死でスミを吐いて闘った。


 我々の同胞には一人の天才発明家がいた。彼の発明で我々の生活は格段に飛躍した。彼は「具合の悪いもの」も発明した。「具合の悪いもの」は我々の星の最高機関にとっても「具合の悪いもの」だった。結局彼は極刑にかけられた。いまは地下牢で延々と柱に小指の爪をぶつけることを強いられる生活をしている。


 「具合の悪いもの」って何だって? ちょっと君には教えられない。あのワサビとショーユを持った侵略者に似ているから。
SF
公開:20/02/22 22:56
更新:20/02/23 13:29

千億アルマ( Tokyo, Japan )

Senoku ALMA
https://note.com/shiro_mid

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