ファンタスティック・プラネット

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 我々の星の極刑は小指の爪を柱にぶつけることだ。それも延々と。我々の小指には脳から生殖器までいろいろ密集している。


 君達の星にはタコという生物がいるだろう。タコの脳は腕と胴体のあいだにある。頭にはない。我々の外観はそのタコに酷似している。このあいだもよその星からの侵略があった。ワサビとショーユという液体をかけられ、何体もの同胞が殺されていった。我々も必死でスミを吐いて闘った。


 我々の同胞には一人の天才発明家がいた。彼の発明で我々の生活は格段に飛躍した。彼は「具合の悪いもの」も発明した。「具合の悪いもの」は我々の星の最高機関にとっても「具合の悪いもの」だった。結局彼は極刑にかけられた。いまは地下牢で延々と柱に小指の爪をぶつけることを強いられる生活をしている。


 「具合の悪いもの」って何だって? ちょっと君には教えられない。あのワサビとショーユを持った侵略者に似ているから。
SF
公開:20/02/22 22:56
更新:20/02/23 13:29

千億アルマ( Tokyo, Japan )

ショートショートは、短い小説ではなく、読解可能性を最小単位へ圧縮した記録媒体である。本アーカイブは作品を保存することを目的としない。保存されるのは、読者との接触によって意味が生成・変容する条件そのものである。ジャンルは分類ではなく読解の副産物であり、一篇はSFにも日常にも寓話にもなり得る。物語とは完成された構造ではなく、読むという行為のたびに更新される暫定的な現象である。ゆえに作者は創作者ではなく観測者であり、アーカイブとは物語の集積ではなく、物語が発生し続ける可能性を保持するための実験的装置として位置づけられる。長すぎるだろ、これ。

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