リボルバー•ジャンキーズ

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凍てつく夜のゴミ捨て場。今夜も奴らは目を光らせ夢中で餌を漁っている。
黒、白、ブチ、キジトラ、三毛、錆び、全員名前はタマ。
足音に反応し近寄ってきた奴らを、俺は取り出したリボルバーに装填する。その瞬間六匹は拳銃の"タマ”となる。
今回の標的は前から目をつけていた防寒着の男。俺はそいつの居場所を探り当て路地裏に誘い込むと、即座に六発続けてぶっ放した。
「タマとったるニャー!」
リーダー格の黒タマが叫ぶ。男は全力疾走で逃げだすが、鉄砲ダマと化した奴らを振り切る事は不可能だ。
引っ掻き傷だらけになり観念した男は、服の中から竈猫のタマを放り出した。つい暖かさに誘われて入ってしまったのだろう、相手が猫さらいだとも知らずに…。
俺は男を縛りあげ、タマを取り返し去っていく六匹を見送った。

凍てつく夜のゴミ捨て場。今夜も暗闇で目を光らせ、餌と獲物を狙う事に夢中な六匹がいる。
そう、奴らはジャンキーズ!
ファンタジー
公開:20/02/22 00:37
更新:20/02/22 02:01

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