奇妙な寿司屋
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仕事終わりで駅から自宅への帰り道、「こんなところにこんな店あったかなあ?」と思える場所にそこはあった。
「へい、らっしゃい。」
そこは妙に湿気の多い店だった。うつむき加減の肌の色が悪い亭主がひとりだけ。カウンターのみの寿司屋である。ふだんなら回るところ以外入らないのだが、なぜか気になって入ってしまった。
ざっとメニューを見渡す。フナ、コイ、ハゼ、マス、ヤマメ、アユ、サケ、ナマズ、ウナギ、etc.
えっと、巻物は……カッパ巻のみ?
つまみも……もろきゅうのみ?
「亭主、ここはマグロはないのかい?」
「へい、うちは川魚専門なんで。そのぶん毎日手前で仕入れてますから新鮮でございます。」
そう言ってニヤリと笑った亭主の顔にはくちばしがあった。
さて、どうしたものか。
「へい、らっしゃい。」
そこは妙に湿気の多い店だった。うつむき加減の肌の色が悪い亭主がひとりだけ。カウンターのみの寿司屋である。ふだんなら回るところ以外入らないのだが、なぜか気になって入ってしまった。
ざっとメニューを見渡す。フナ、コイ、ハゼ、マス、ヤマメ、アユ、サケ、ナマズ、ウナギ、etc.
えっと、巻物は……カッパ巻のみ?
つまみも……もろきゅうのみ?
「亭主、ここはマグロはないのかい?」
「へい、うちは川魚専門なんで。そのぶん毎日手前で仕入れてますから新鮮でございます。」
そう言ってニヤリと笑った亭主の顔にはくちばしがあった。
さて、どうしたものか。
ホラー
公開:20/02/21 20:00
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かっぱ寿司(笑)
オオカミの自信作
武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
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