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私は釣りが好きだ。
獲物との駆け引きには心が躍るし、釣った獲物を自分で捌いて食べると格別にうまい。
しかしここ最近、獲物の食いつきが悪い。
荒れる海の磯、夜の川辺、水田の広がる田舎道などなど。場所を変えてみたが、ダメだった。
もちろん、針の先にも工夫を凝らした。
小さな子供の死体、イケメンの男の死体、時には、針へ引っ掛けるのに失敗して、原型も留めていないほど捻れてしまった死体も。
それでも獲物はーー人間は、触れようとしない。
都会の真ん中に糸を垂らすことも考えたが、私の存在が人間に知られるのはマズい。警戒されては元も子もない。
前に一度、ここなら釣れるだろう、と人通りの多い駅に死体を垂らしたことがあった。
結果は散々だった。
人間たちはいっせいに、死体にレンズを向けたのだ。
私は引き上げるわけにもいかず、糸を切るしかなかった。
獲物との駆け引きには心が躍るし、釣った獲物を自分で捌いて食べると格別にうまい。
しかしここ最近、獲物の食いつきが悪い。
荒れる海の磯、夜の川辺、水田の広がる田舎道などなど。場所を変えてみたが、ダメだった。
もちろん、針の先にも工夫を凝らした。
小さな子供の死体、イケメンの男の死体、時には、針へ引っ掛けるのに失敗して、原型も留めていないほど捻れてしまった死体も。
それでも獲物はーー人間は、触れようとしない。
都会の真ん中に糸を垂らすことも考えたが、私の存在が人間に知られるのはマズい。警戒されては元も子もない。
前に一度、ここなら釣れるだろう、と人通りの多い駅に死体を垂らしたことがあった。
結果は散々だった。
人間たちはいっせいに、死体にレンズを向けたのだ。
私は引き上げるわけにもいかず、糸を切るしかなかった。
ホラー
公開:20/02/20 21:00
更新:20/03/18 16:26
更新:20/03/18 16:26
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