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男は腕に受けた矢傷を布でしばり、単身道なき道を進み続けた。
彼の腰袋には、この国での持出禁制品であり、かつ彼の祖国が必要としているものが
毛玉に偽装して入っている。
もちろん見つかれば縛り首もので、彼自身ようやく追ってから逃れたところだった。

関所を迂回し、獣道を進みようやく祖国に帰り着いた彼を
王は歓待した。なにしろ彼がもたらしたもので、国が救われたのだ。

それから彼がもたらしたもの『芋』は国中に広まり、数十年がたった。

「また、芋か……。たまには別のものが食べたいなあ」
ファンタジー
公開:20/02/17 20:27

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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