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私が通院している病院の、とある科は、待合から診察室へ入る通路が狭く、時に車椅子の患者がいたり、付添に手を貸されよろよろと歩いている患者がいたり、周囲の状況を考えずに突然立ち止まる患者がいたりで、たびたび渋滞している。

もう何年も通っているから、その状況には慣れてしまっていて、目の前の相手が動き出すか、前に進むか、こちらに通り過ぎるまで、脇に避けて待っているのが習慣になっていた。

私が名前を呼ばれて診察室に入るまでの間、そういう状況だから、看護師は待っていてくれる。通勤通学の駅ではないから、そんなことで立ち止まっていても誰も殺気立った行動はしないし、急かしたりもしない。

そんなある日、名前を呼ばれた私が向かったところ、目の前に老夫婦がいて中に入れない。まあ、いつものことだと思って待っていたが、奥で看護師が怪訝そうな顔をして待っている。

そうか、そういうこともある。ここは病院だもの。
ホラー
公開:20/02/17 19:00
更新:20/02/17 17:27
304 病院の待合室 患者にもいろいろいる オオカミの自信作

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド )

武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。

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