受付ジョー

「飛び込み営業も古いけど、基本だから」新人と主任が訪れた某社。受付嬢は伸ばした前髪にパンツ姿、バンデージの両手でシャドーボクシング中だった。「（シュッシュッ）いらっしゃいませ（シュッ）アポイントは（シュッ）おありですか？」
　新人がスエーしながら「はじめまして（シュッ）社長様に（シュッ）お取り次ぎを」カウンター越しに名刺を差し出す。そこへカウンター、クロスだ。
　よろけた新人に代わり主任が「本日は（バスッ）新サービスの（バスッ）ご紹介に」パンチをブロックする。
「ご予約が」受付ジョーの右足が消える「ございませんと（ドスッ）」ジョーが足技？　ハイキックにダウンする主任。
　零距離なら。立ち直った新人は打撃をかわし前へ。営業の基本、飛び込み、懐に入る。「１０分だけお時間を」
　次の瞬間、大口で噛みちぎられた。血の海に沈む新人。
「またのお越しを」受付ジョーズはルージュ（血）も鮮やかに一礼した。