地平線の向こうまで

耳鳴りが止まない。

騒がしい店の中。後ろの方で高笑いが聞こえる。どうでもいいことがさぞかし面白いらしく笑い声が止まらない。それに合わせた女性の機械的に合わせた笑い声。
全てが煩わしい。
こんなものが男は好きなのか。

時々理解が出来なくなる。でも彼らは彼らなりの世界があって、お酒という道具を使い世界をめいいっぱい広げようとしている。女の人たちは、手招きをしながら地平線の向こうで笑顔で待っている。
全てはまやかしというのに。

器はもういっぱい。
広げるには一度全てを壊すしかない。
そんなことはできないの一遍通りの答えが普通。
でもあなたにはその力があるのに使えない。

私はあなたを広げてみせる。
地平線の向こうまで。
そして見て欲しい、
器の外はこんなにも広大なことを。