2
7

雨が降ってきた。
音でわかる。
この寒い室内にいると
今が2050年だということが
信じられない。

外はどんな風に変わっただろうか。
差し入れのパンのクオリティが
年々高くなってきている。
外に出るのが楽しみで仕方ない。

明日、私はこの塀から出られることになっている。
一晩寝たら、別世界だ。

朝、起床すると、顔を洗い、歯を磨き、飯を食べた。
いよいよ扉を開けて外へ出た。



見渡す限りの巨大迷路。
そこは屋台村のように見えた。
食べ物の匂いがする。
一番近いところの屋台に入った。
焼き麺に、海老フライが乗っていて、
タルタルをかけて食べるものらしい。
スパイスもあるぞ。ソースに、七味、ニンニク。
俺は、手当たり次第にスパイスをかけてむさぼり食った。美味かった。
パトカーのサイレンが近づいてくる。
俺は、現行犯逮捕された。食べ方が違ったらしい。重罪だ。またブタ箱行きだ。
SF
公開:20/02/15 22:01

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容