不機嫌な妻
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トントントン
目覚めると台所から包丁の音が響いている。
「もう終わりだな。出て行けばいい。」
昨夜思わず口にした言葉にお互いに不機嫌なまま別々の部屋に寝たのだが、妻がいつもと同じに台所に立っている事に安堵する。
ん?この匂い?
「お味噌を変えたから。」
妻は振り向きもせずに少しトゲの残る声で言う。
用意していた答えのように。
「そうか。なんて味噌?」
いつもとは明らかに違う香り。
「別に。普通のよ。」
トン トン トン
「夕べは言い過ぎた。悪かったよ。」
妻は黙ったままだ。
トン トン トン
味噌汁の匂いが充満する。
いつもとは違う匂いが…
「おい!ちゃんと謝ってるじゃないか!こっちを向いたらどうなんだ!」
妻が包丁を持ったままゆっくりとこちらに身体を向けた。
その顔が少し歪んでいる。
俺はすべてを察した。
首を寝違えたらしい妻の不機嫌はまだ続きそうだ。
目覚めると台所から包丁の音が響いている。
「もう終わりだな。出て行けばいい。」
昨夜思わず口にした言葉にお互いに不機嫌なまま別々の部屋に寝たのだが、妻がいつもと同じに台所に立っている事に安堵する。
ん?この匂い?
「お味噌を変えたから。」
妻は振り向きもせずに少しトゲの残る声で言う。
用意していた答えのように。
「そうか。なんて味噌?」
いつもとは明らかに違う香り。
「別に。普通のよ。」
トン トン トン
「夕べは言い過ぎた。悪かったよ。」
妻は黙ったままだ。
トン トン トン
味噌汁の匂いが充満する。
いつもとは違う匂いが…
「おい!ちゃんと謝ってるじゃないか!こっちを向いたらどうなんだ!」
妻が包丁を持ったままゆっくりとこちらに身体を向けた。
その顔が少し歪んでいる。
俺はすべてを察した。
首を寝違えたらしい妻の不機嫌はまだ続きそうだ。
その他
公開:20/02/16 21:58
のんびりゆるぅり書いてみたいと思います。
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