毒を食らわば皿まで

「さみしい」という言葉は、毒のようなものだ。

「さみしい」という言葉に最初は酔う。
言葉を重ねる度に、酔いが苦しみに少しずつ変わる。
「さみしい」と言えば言う程苦しくなる。
「さみしい」という名のトンネルは、一旦入ると先にも後にも灯りすら見えず、
体にも鎖がどんどん絡みついていて、
息が出来なくなる、
身体が重くなる、
そんなトンネル。

けど今は、「さみしい」しか言わない。
「会いたい」はもっと辛くなる。
出来ない現実を今は見たくない。
だから私は「さみしい」を使う。

もう私は十分苦しんだはずです。
これ以上神は何を求めるのでしょうか。
いつになれば終わるのか。
だけど前に進まなければならない。
鎖が絡みついてようが、
足がもたついても、
私は進む。
毒を食らわば皿まで。

毒よ逃げるな。