夏の狭間

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結婚して何年経つだろう。
夫と二人だけの生活は共働きに加え義母の介護、日々の生活に追われ何に対しても余裕がない。
何かを淡々とこなすだけの毎日は感動などなく、私の中で感情が揺さぶられる事は殆どなかった。

ある日曜日、久しぶりに郊外の店へ。
それは少し田舎の幹線道路沿いにあり、周りは畑で囲まれたドラックストア。今日はゆっくり買い物しようと決めていた。

「もうこんな時間」
時計を見ると19時前。私はレジを済ませると店をあとにする。

「…夏の匂い…」
外に出ると懐かしい匂いが。

子供の頃、夏の日が長い時期は門限が19時だった。
友だちとの冒険のあと、畑や田んぼの畦道を一人歩いて帰る。
畑の青野菜の匂い。土の匂い。田んぼの水に浸った土の匂い。
それは、夕方と夜の狭間の出来事。

気持ちが、少しだけ穏やかになった。
こんなノスタルジックも悪くない。

明日からまた頑張ろう。何だかそう思えた。
その他
公開:20/02/16 18:10
更新:20/03/12 18:48

晶馨

令和1年大晦日からこちらで投稿しております。
令和2年6月から5ヶ月ほどお休みしてましたが、11月に出戻ってきました。
投稿頻度は遅いですが、自分のペースでゆっくり頑張ろうと思ってます。
現在、自宅がWi-Fiじゃないので返信は遅れると思いますが、色々感想など教えていただけると励みになりますので宜しくお願いします^^

(アイキャッチ画像が登録しても登録してもいつの間にか勝手に消えまして、今回は以前のプロフィール文まで消えました。自分のタブレットがおかしいのでしょうか。少々いや、かなり手間取っております(-_-;))

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