夜明け鳥

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夜の終わらない国があった。城には大きな鳥かご。
「どけ!余が開ける」
朝露を纏う羽毛の美しい鳥に、ハムエッグを与える王。夜明け鳥だ。王妃が愛した鳥。
ある年の疫病で王妃は倒れた。医者はいった。
『朝になれば良くなります』
翌朝、王妃は死んだ。
王は医者を死刑にし、夜明け鳥を捕まえ、朝を奪った。国中の体内時計は壊れ、疫病以上の死者が。
大臣は王に訴えた。
『朝になれば良くなります』
大臣は漆黒の牢獄に閉じ込められた。
憎い朝を運ぶ夜明け鳥だけを王は愛した。
しかし、ある日、夜明け鳥は真っ黒な姿で死んだ。
「ずっと悪い夢を見てるようだ」
その時、鳴き声がきこえた。
屍の下に、産まれたての光のような卵があった。殻が割れると、夜明け鳥の雛が。懸命に羽ばたき、よちよち飛ぶ。
「行け!夜が明ける」
窓から夜明け鳥を放った。死の森から鳥が一斉に飛び立つ。
太陽の端を嘴にくわえ、夜明け鳥が朝を運んできた。
ファンタジー
公開:20/02/16 11:48

そるとばたあ( 神奈川 )

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