自縄自縛(300作品目記念)

発見された日記には以下のようにある。

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もう無理だ。自分でハードルを上げてしまった。何も考えずに“自信作”を連発してしまい、肝心の記念すべき作品が何も思い浮かばなくなってしまった。

何度か夢の中で傑作を書き上げたんだが、目が覚めるとすっかり忘れていることが続いた。どういうわけか、書いている間は「こりゃあすごい傑作だ」と思い悦に入っていたのだが、起きると片鱗も残っていない。

ひとつだけ根多はあるのだが、それを出すのはまだ半月以上先のことだ。それまでをずっと“思うこと”で場を濁すというのも考えたが、区切りをつけないとその先がまったく進まないのも困りものだ。301以降が書けなくなるのだから。

下手に区切りの大傑作を作ろうとするから何も書けない。自分で自信作と銘打てないものを区切りに出すのも気が引ける。

完全に手詰まりだ。

最後に「300」と記されていた。
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