バレンタインデー木下君

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 木下君はあまりモテないということで社内で通っている。今年もダメでした! と言っては部長の笑いをとるのが毎年恒例なのだ。
 しかし、実は意外と裏ではこっそり女子からチョコをもらっている。それをこそこそとリュックに隠していることは彼しか知らないのだが。
 周囲の友人たちは結婚ラッシュに入っていて、そのプレッシャーから木下君にはチョコがずっしりと重く感じられる。いっそチョコをくれるのが一人だけなら良かったのに。恋人を「消去法で選ぶ」という発想が木下君は苦手だ。義理チョコなら悩むこともないけれど、なまじ本命っぽいと対処に困る。特に断らないといけない相手のことを思うと…。
 参考までにと、彼は帰り道の本屋に寄りレディースコミックスを買って、バレンタインネタの話を乱読する。どれも女子目線のハッピーエンドばかり。
 そりゃ、そうだよなぁ!
 誰にも相談できない思いを抱えて一人家に帰る木下君であった…。
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公開:20/02/14 08:51
バレンタイン

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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