カラン・コロン

花から作る香水は数あれど、カランコエで香水を作っているのは私だけだろう。
カランコエは匂いのする花ではない。多肉植物で小さな花芽を多くつける可愛い奴。
その花言葉は、幸福を告げる、沢山の小さな思い出、貴方を守る、大らかな心。
さりげないオシャレとして、カランコロンは知る人ぞ知る幸運の御守りとも呼ばれている。
私はカランコロンを必ず手売りしている。この商品は使う前に説明を必要とする。
まず第一にカランコロンは透明度が高い。一見すると何も入っていないようにも見える。空でない事を証明する為に私の説明と承認が必要だ。
第二に濁ったカランコロンは使ってはいけない。カランコロンは濁ると伽藍コロンに変わってしまう。
伽藍コロンを使ってしまうとその清浄な香りに俗世間との関わりを自ら断とうとする。
僧侶になる為、俗世間から離れ修行に出るのなら問題ない。中には俗世から離れる為、自殺しようとする者も出てくる。