18
11
気持ちのいい秋晴れの日だった。小学生の舞は弟の悠太と一緒に、公園でブランコに乗ったり、紅葉や銀杏の葉を集めたりして遊んでいた。
「あめ、あめ」
悠太の声に、舞は空を見上げた。青空から、ぽつり、と雨が落ちる。舞は悠太の手を引いて、あずまやの屋根の下に入った。
「狐の嫁入り、っていうんだよ」
「ケツネの…」
「晴れてるのに雨が降ったら、狐が結婚式をしているんだって」
幸い雨はすぐに止んだ。帰り道、途中の稲荷神社の前まで来ると、悠太は手にしていた色とりどりの葉を狐の像の前に置いた。
「あげるの?」
「ケツネのごしゅうぎ」
舞は笑った。先月、いとこのお姉さんの結婚式に行ったときに、ご祝儀という言葉を覚えたに違いない。
家の前で、二人はいいものを見つけた。蔓籠に入った、二房の艶やかな山葡萄。
「狐の…引き出物?」
舞は空を見上げた。夕焼け空にはちぎれ雲が、嫁入り行列の提灯のように赤々と連なっていた。
「あめ、あめ」
悠太の声に、舞は空を見上げた。青空から、ぽつり、と雨が落ちる。舞は悠太の手を引いて、あずまやの屋根の下に入った。
「狐の嫁入り、っていうんだよ」
「ケツネの…」
「晴れてるのに雨が降ったら、狐が結婚式をしているんだって」
幸い雨はすぐに止んだ。帰り道、途中の稲荷神社の前まで来ると、悠太は手にしていた色とりどりの葉を狐の像の前に置いた。
「あげるの?」
「ケツネのごしゅうぎ」
舞は笑った。先月、いとこのお姉さんの結婚式に行ったときに、ご祝儀という言葉を覚えたに違いない。
家の前で、二人はいいものを見つけた。蔓籠に入った、二房の艶やかな山葡萄。
「狐の…引き出物?」
舞は空を見上げた。夕焼け空にはちぎれ雲が、嫁入り行列の提灯のように赤々と連なっていた。
ファンタジー
公開:20/02/15 06:13
読んでくださりありがとうございます。
小学生の頃、「世界中の本をぜんぶ読んでしまったら退屈になるから、自分でお話を書けるようになりたいな」と思いました。
僭越ながら、子どもの頃の夢のまま、普段はショートショート作家を目指して、2000字くらいの公募に投稿しています。芽が出るといいな。
ここでは思いついたことをどんどん書いていこうと思います。
皆さまの作品とても楽しく拝読しています。毎日どなたかが更新されていて嬉しいですね。
よろしくお願いしますm(_ _)m
*2020.2〜育児のため更新や返信が遅れておりますが、そんな中でもお読みくださり、コメントくださり本当にありがとうございます!
ログインするとコメントを投稿できます