ある世界での出来事~結局、強さこそ正義

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ブリランドによる旧甲殻三カ国の併合は、戦勝各国からの非難の声に見舞われた。
講和会議で大半の国は『高度な民主化を推し進め独立させるべきである』と強く主張し、戦勝に大きく貢献したカツオとカレイは『我々にも割譲する権利がある』と言って退こうとしなかった。
しかし、彼らには主張を押し通すだけの気概が足りていない。
疲弊しているといえ超大国ブリランドの秘められた力は侮りがたく、加えてその支配下に置かれた旧シュリンプ領には軍事転用可能な先端科学技術が存在している。しかも、かなりの数の新兵器をブリランド軍が接収したという情報もあった。それ故、一歩を踏み出す勇気が欠けていたのだ。ブリランドに限らず、各国の疲弊度が尋常ではなかったことも原因のひとつだろう。
結局、ブリランドが旧三カ国を継承する形で自治区創設を行いつつ、潜在的軍事力をちらつかせたことで、各国は半ば諦める形で領有を認めざるを得なかった。
ファンタジー
公開:20/02/14 20:52
更新:20/02/14 20:54

加賀守 崇緒( 猫屋敷 )

気まぐれなハチワレ猫です。
頭抱えながら文章を考えてます。
スイカと芋と肉と魚に、お米とお酒、ブドウが好き。
よろしくお願いします。

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