山で熊に遭遇したら
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これは私が登山中に野生の熊と遭遇してしまった時の話である。
その熊は体長二メートルを超える巨体だった。鈍く澱んだ兇暴な眼。四肢の先についた重機のような鉤爪。雨露に濡れ、針のように固まって尖った密な剛毛。
命の危険を察知した私は、すぐにくまのプーさんのぬいぐるみを熊に差し出した。
熊は変なくんくん声を出して、ぬいぐるみを抱き上げると、隅々まで舐め回し、のびのびと腹這いになってくつろぎだした。
しめたと思い、私は逃げ出そうとしたが、二匹目の熊がすぐに私の目の前に現れた。そこで私はくまモンのぬいぐるみを差し出した。
二匹目はふうふう喘ぎながらくまモンを抱きしめると、ぺろぺろと舐め回し、にたぁとだらしなく顔を緩めた。
そこへまた三匹目が現れた。いよいよここまでかと私は思ったが、三匹目は、私には目もくれず他の二匹とぬいぐるみの奪い合いを始めた。
こうして私は九死に一生を得たのである。
その熊は体長二メートルを超える巨体だった。鈍く澱んだ兇暴な眼。四肢の先についた重機のような鉤爪。雨露に濡れ、針のように固まって尖った密な剛毛。
命の危険を察知した私は、すぐにくまのプーさんのぬいぐるみを熊に差し出した。
熊は変なくんくん声を出して、ぬいぐるみを抱き上げると、隅々まで舐め回し、のびのびと腹這いになってくつろぎだした。
しめたと思い、私は逃げ出そうとしたが、二匹目の熊がすぐに私の目の前に現れた。そこで私はくまモンのぬいぐるみを差し出した。
二匹目はふうふう喘ぎながらくまモンを抱きしめると、ぺろぺろと舐め回し、にたぁとだらしなく顔を緩めた。
そこへまた三匹目が現れた。いよいよここまでかと私は思ったが、三匹目は、私には目もくれず他の二匹とぬいぐるみの奪い合いを始めた。
こうして私は九死に一生を得たのである。
その他
公開:20/02/12 22:29
熊
プーさん
くまモン
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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