おまもり

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子供の頃、両親に連れられよく山でキャンプをした。
「流れ星発見!」
都会ならいざ知らず、光源の少ない空気の澄んだ山では珍しい事ではない。
だがその日の流れ星は珍しい事にこちらに近づいてくる。
そして、強い光を放ちながら私達の前に落ちてきた。
私は流れ星を手に取ると巾着に入れて「御守りにする」と言った。
それを見た父が言った。「お星様は空に帰してあげなきゃ」
どうして?と聞くと母が言った。「もしそれがお月様だったら、落ちたツキは縁起が悪いからよ。あとお月様やお星様を空に帰してあげると、月の兎さんが恩返しに来てくれるわよ」
月の兎に会えると信じた私は流れ星を空へと帰した。

後に知ったが両親は地上に落ちてきた流れ星を空へと帰す活動をしていた。
そして大人になった私も両親と同じ活動をしている。
未だ月の兎には会えていないが、私は同じ活動家の輝夜という名の美しい女性と結婚し、幸せを手にしている。
ファンタジー
公開:20/02/12 18:50

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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