曽根さんに声をかける吉田君
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曽根さんがアイドルになったという話を聞いて、同じクラスの吉田君は胸がざわついた。実は吉田君、アイドルが好きなのである。だけど、曽根さんにどう声を掛けていいのかわからない。アイツ、友達いないしな…。まてよ? 吉田君は閃いた。
「なぁ曽根、アイドルになったってマジ? 学校でも友達いないのに、芸能界でちゃんとやっていけんの? もしよかったらさ、俺が友達になって…」
曽根さんはツと唇を噛み、血走った目で彼を捉えた。
「え…? と、友達なら、いますけどぉ?」
小腸をくびり絞って出すような曽根さんの声音とその青ざめた顔に、吉田君は絶句してしまった…。
帰り道、彼の家を黒いカラスの群れが取り囲み、だみ声で大合唱しているのを目撃した。そこへ、わざとらしく曽根さんが通りかかり、くくっと笑った。
「心配しなくていいんだよ。あの子たち、みんな私の友達だから」
吉田君はしばらく家に入れなかったという。
「なぁ曽根、アイドルになったってマジ? 学校でも友達いないのに、芸能界でちゃんとやっていけんの? もしよかったらさ、俺が友達になって…」
曽根さんはツと唇を噛み、血走った目で彼を捉えた。
「え…? と、友達なら、いますけどぉ?」
小腸をくびり絞って出すような曽根さんの声音とその青ざめた顔に、吉田君は絶句してしまった…。
帰り道、彼の家を黒いカラスの群れが取り囲み、だみ声で大合唱しているのを目撃した。そこへ、わざとらしく曽根さんが通りかかり、くくっと笑った。
「心配しなくていいんだよ。あの子たち、みんな私の友達だから」
吉田君はしばらく家に入れなかったという。
青春
公開:20/02/12 08:08
更新:20/02/12 11:31
更新:20/02/12 11:31
曽根さん
吉田君
カラス
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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