クアドの衝撃

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「今日はどこから来ましたか?」
この質問をした事で、面接官である私の日常が歪んだ。
「あなたの家から来ました」
私の、家?
「どういう意味ですか?」
「おや、お気付きになりませんでした? 朝から一緒だったのに」
朝から一緒? 私の頭の中でぐるりと思考が巡る。
「ちょっと、何を言っているの?」
「だから、あなたが朝に家を出てからずーーーっと後ろを歩いていたんですよ、ぼく」
えへへ、と不気味な笑みを浮かべる男に私の頭がぐるんぐるんと回る。
「じょ、冗談でしょ?」
「本当ですよ。駅の階段でヒール脱げてましたよね。足の裏見えちゃいましたよ、えへへ」
この子、やばい子だ。二重、三重の衝撃に、私は体に震えを覚えた。
「それ、ストーカーですよ!」
「使ってるシャンプーまでわかりますから、ぼく」
その一言に私はぐるんぐるん、ぐるんぐるんと目が回り、そのまま平衡感覚を失った。これ以上の衝撃には耐えられない。
その他
公開:20/02/12 23:56
面接4回転 スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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