社長よ

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「これからの時代は雪だよ、雪!」
社長がまたワケのわからない事を言い出した。
「去年は火とか言っていたじゃないですか」
「火はいかん。見事に燃えよった。火だるま、火の車、フェニックスじゃ!」
がはは、と笑う社長を見て私はため息をついた。現状、笑い事ではないのだ。
「で、雪とは?」
「雪だるまだよ。火だるまと恋させるのだ」
「頭、大丈夫ですか?」
「なーに、ギュッと抱きしめ合えばシューッと消えるさ」
「消してはダメでしょ?」
「バカもの。物事には順序というものがあるのだ。雪だるまの次は雪車だ。そしてフェニックスの如し甦る!」
本気で頭がおかしくなっているようだ。私は社長の肩を掴み、強く揺すった。
「いい加減にして下さい! 自身を見失いすぎです!」
はたと我に返ったのか、社長がポツリと呟いた。
「もうダメか……」
やれやれ。私は投げやりな気持ちで吐き捨てた。
「自転車操業しているからですよ!」
その他
公開:20/02/12 23:55
見失う輪廻 スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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