殺人鬼のノート
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「僕が殺しました。96人全員ね。いつまで尋問するんです?」
殺人鬼は余裕の笑みを浮かべている。
「そのことは分かった。じゃあお前の家にある気味の悪い大量のノートはなんだ」
「気味の悪いとは酷いですね。ただ歴史を書いてるだけなのに」
「宇宙の誕生から現在に至るまでのあらゆる事象が事細かくな。挙げ句の果てには未来のことまで書いてある。あれはお前の妄想か?」
「いえ、実際に書かれた通りに起こりますよ」
「じゃあこれもか?『2月11日 96人を殺した殺人鬼 脱走』」
刑事は唯一部屋から持ち出してきた一冊のノートを読み上げた。
「だからそうだと言ってるでしょう」
その夜、殺人鬼は見事に脱走した。
ある警備員の証言によると、目の前で音もなく消えたという。
そして部屋にあった大量のノートも跡形もなく消えてしまった。
刑事の元にある一冊のノートを除いては。
殺人鬼は余裕の笑みを浮かべている。
「そのことは分かった。じゃあお前の家にある気味の悪い大量のノートはなんだ」
「気味の悪いとは酷いですね。ただ歴史を書いてるだけなのに」
「宇宙の誕生から現在に至るまでのあらゆる事象が事細かくな。挙げ句の果てには未来のことまで書いてある。あれはお前の妄想か?」
「いえ、実際に書かれた通りに起こりますよ」
「じゃあこれもか?『2月11日 96人を殺した殺人鬼 脱走』」
刑事は唯一部屋から持ち出してきた一冊のノートを読み上げた。
「だからそうだと言ってるでしょう」
その夜、殺人鬼は見事に脱走した。
ある警備員の証言によると、目の前で音もなく消えたという。
そして部屋にあった大量のノートも跡形もなく消えてしまった。
刑事の元にある一冊のノートを除いては。
SF
公開:20/02/11 17:15
スクー
ビッグバン予定表
ショートショートに魅入られて自分でも書いてみようと挑戦しています。
悪口でもちょっとした感想でも、コメントいただけると嬉しいです。
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