さようなら、先生

先生の退職が決まったらしい。
私が生まれる遥か以前から、先生は世の中を支える偉大な職務に就いていた。
さまざまな場所の、さまざまな人たちの元で、あらゆる悲喜交々を端目にしつつ、表情を一切変えずに御自身の職務を全うされた。

四十年

その時間の全てを、先生は自由を棄てて社会のために捧げたのだ。
ああ、なんて偉大な方なんだろう。
私には、いや、世の中の殆ど全ての人に、同じことは真似できないだろう。
その職務は先生自身の意思で行ったものでない。政府より言い渡されたものだった。凡人なら反抗するだろう。無論、強要されるものではないから、断って当然だ。
しかし、先生は違ったのだ。
学校の創設に教育支援、政界にも少なからず影響を与えた。
その末での、社会奉仕……

ああ、なんて華々しい人生なのだろう。
先生こそ、尊敬に値する素晴らしい賢人なのだ。

今まで本当にありがとうございました！
福澤諭吉先生！