博士の変わった一日

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私はいつも一人だった
今日はそのいつもの風景が変わった
私の前でせっせと資料をまとめる女性がいるのだ

彼女はたびたび資料の行方を聞いてくる
彼女の声は綺麗だ
それは今日も変わらない

彼女は昨日完成した発明品があることを知ると目を輝かせて詳細を聞いてきた
彼女の瞳は綺麗だ
それは今日も変わらない

発明は失敗したのだと伝えた
望んだ効果はあったものの望んだ結果にならなかったのだ
彼女にそう言うが要領を得ないようでうんうんと悩んでいた
彼女の反応は愛おしい
それは今日も変わらない

何が望ましくなかったのかと聞かれたので私は窓際に飾った黒百合を指さした
アレが私の誕生花だと教えてくれたのは彼女なのだ
そう話を振るが彼女は首を傾げる
私は貴方の研究にしか興味はないので花の名前なぞ知る由もないと言う
SF
公開:20/02/11 20:30
更新:20/02/11 20:47

イノシシ

お話作りやお話で遊ぶTRPGなどが趣味です。よろしくお願いいたします。

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