ある世界での出来事~虚勢の結末

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戦争は十一年目を迎えた。
シュリンプ大公国の参戦は結果として戦局の変化に寄与しなかった。
ハマチが犠牲を省みず頑として抵抗したからだが、それもまた、劣勢を挽回するには一歩足りない。
そんななか、業を煮やしたサーモン共和国が大攻勢に出た。
舞台は、マグロ戦線。
戦線を支える軍団の三分の二を投入するという前代未聞の作戦で、総勢三十万のサーモン軍が、マグロ軍防衛拠点『アブリ要塞』を包囲した。
だが、マグロ側も黙ってはいない。
諜報網によって敵の動きを把握していた彼らは、四十二万もの後詰め軍を送り込んでいたのだ。
『地獄のアブリ調理』と呼ばれる激戦の始まりだった。
結果として両軍ともに十万を越す兵士を失い、要塞も落ちなかった。
これ以降、マグロ戦線は終戦まで膠着状態が続くことになる。この戦いの悲劇による悪感情は長く尾を引き、サーモン共和国では反乱の兆しが芽生え、マグロ連邦は弱体化するのだった。
ファンタジー
公開:20/02/11 19:32

加賀守 崇緒( 猫屋敷 )

気まぐれなハチワレ猫です。
頭抱えながら文章を考えてます。
スイカと芋と肉と魚に、お米とお酒、ブドウが好き。
よろしくお願いします。

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