ウィンタースポーツ・コタンク

2
3

寒い冬の日、彼女と二人こたつに入ってだらだらと過ごす。
ここ最近、休みの日はずっとこれだ。デートに出かける事もなければ、家で特に会話もなく無為に時間を過ごす。熟年夫婦の老後か!
これではだめだ…正月太りに輪をかけて体重が増えてしまう。
そこで僕は彼女をウィンタースポーツに誘ってみた。
「ウィンタースポーツぅ…それならあれやろうよ。コタンク」
気怠そうに彼女が言った。コタンク?何それ?
「ペタンクをコタツの上でやる競技だよ。ブールの代わりはみかん。ビュットの代わりにリップクリーム。メジャーの代わりは…孫の手でいいや。それじゃ始めるよ」
彼女がみかんを投げてきた。
ルールが全く分からない…とりあえずこのみかんの皮をむいて投げ返してみよう。
「ありがと」
彼女はみかんを美味しそうに食べ、こたつの中に潜り込んだ。
って、これで終わり?
コタンクについて調べてみた。勿論、そんな競技は存在しなかった。
公開:20/02/11 19:02

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容