つばさの行方

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私はさとりと呼ばれる妖怪である。
人間が妖怪リアル脱出ゲームとやらを開催していると聞き、人里に下りて来てはイベントスタッフとして人間観察を行っている。
「つばさの行方が鍵になる」
ヒントを読んだグループが頭を捻る。どれ、少し頭の中を覗いてやろう。
『つばさ…どういう意味だ?』『早く終わらないかなぁ…』『顔近い…ドキドキする…』『つばさ…つばさ…』
真面目に考えているのは二人か。一人は無理に付き合わされ、もう一人は意中の相手がいるようだ。
「もしかしてこれって漢字にしたらいいんじゃないか?羽に異なる」
「あっ!あの絵画、1枚だけの羽の違うものがある」
「それだ!」
「次のヒント見つけたぞ」
小さなヒントをきっかけに謎が解け、先に進んでいくグループ。
しかし、あの4人の中で2人目の者が最初にこのトリックに気付くとは思わなかった。
人間、考え過ぎない方が良い案が出る。
今日も良い観察が出来た。
公開:20/02/11 18:38

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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