勇士とは

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魔軍との勝利で、城下町は皆がお祭り騒ぎだった。
なんでも王自ら、敵将の乗るドラゴンと戦い見事討ち取ったらしい。

酒場では兵士たちが酔っ払いながら討ち取った敵の数を誇り合っていた。
その中で一番首級をあげ、お山の大将きどりだった男は有頂天だった。絡み酒であちこちに声をかけては武勲を吹聴する。そのうち一人の若い騎士に絡み始めた。

「旦那、どうです? さぞたくさんの敵の首級をあげたことでしょう」
「いえ、私は今回の戦いで敵を一人も倒していません」
「なんだ。ただの臆病者か」
男は騎士を罵倒するが、騎士は黙って席を辞した。

数日後、王自ら今回の戦いで武勲をあげたものを表彰した。
男は驚いた。なんとあの若い騎士が自分よりも武勲が上なのだ。

「聞け! この者は、自ら大きな盾を携え私を守る盾となってくれた。
私がドラゴンに勝てたのは彼のおかげである。彼こそ真の勇士だ!」

男は自身を恥じた。
ファンタジー
公開:20/02/09 20:55
更新:20/02/09 20:57

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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