ほったらかしの玉子焼き

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ふと思い立って玉子焼きを作ることにした。母の作る玉子焼きは砂糖が入っていない。友達のお弁当に入っていた、砂糖入りの玉子焼きにずっと憧れていた。だから砂糖をこれでもかってくらいに入れてみた。ふわふわの食感にもしたかったので、ふくらし粉を投入。お出汁をちょっと入れて、いざ玉子焼き器に流し入れた。

焦げないように弱火で焼き続けると、段々玉子焼きが膨らんできた。段々膨らんで、さらに膨らんで、気が付くと玉子焼き器と共に天井に向かって浮いていた。まるで気球のようだ。面白いのでしばらく放っておくことにした。

気球玉子焼きはあっちに行ったりこっちに行ったり、ゆらゆらと彷徨っている。何度か窓にぶつかるので、窓を開けてみた。それを待っていたかのように、窓から飛び出していった。

どこにいくんだろうなー

そんなことを考えているうちに、見えなくなった。

以上が、わたしがお夕飯のおかずを失った話である。
その他
公開:20/02/09 22:46

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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